
京都市西京区大原野にある正法寺。その境内にある春日不動堂の入り口に鎮座する、一対の仁王像の補修・再塗装を担当させていただきました。


こちらの仁王像は前回の塗装から約40年が経過していました。
長年、屋外に設置されていたことから、表面の塗装はほとんど失われ、生地が見えている状態。さらに、経年劣化による割れや欠け、苔や汚れの付着も見られました。
年月を重ねた造形物ならではの風合いは残しながらも、この先少しでも長く維持できるよう、FRP造形物の補修、下地処理、再塗装、コーティングまで一貫して施工しています。
屋外造形物の苔や汚れを丁寧に除去

屋外に設置されているFRP造形物は、紫外線や雨風、気温の変化などによって少しずつ劣化が進みます。そのため、表面をきれいにするだけではなく、新しい塗料がしっかりと密着するよう、状態に合わせた下地処理を行うことが重要となります。
まずは、仁王像の表面に付着した苔や汚れを丁寧に取り除きました。

屋外に設置されているFRP造形物やオブジェ、モニュメントは、紫外線や雨風、気温の変化などの影響を受け、塗装の剥がれや色あせ、ひび割れが起こりやすくなります。
塗装前の工程を丁寧に行い、仕上がりの美しさと耐久性の両立を目指しました。

傷んだ部分をそのまま塗装すると、内部に水分が入り込んだり、劣化がさらに進んだりする可能性があります。像の形状や表情を損なわないよう細部を確認しながら、ひとつずつ丁寧に修復しました。
また汚れが残った状態で塗装すると、新しい塗料が密着せず、早期の剥がれにつながる可能性があります。
そのため、表面をきれいにするだけでなく、塗料がしっかりと定着するよう、状態に合わせた下地処理を施しました。
仁王像の力強さを引き出すエイジング塗装


春日不動堂を守護する仁王像としての存在感と力強さが伝わるよう、単色で塗り直すのではなく、陰影や深みを加えるエイジング塗装を施しました。

筋肉の隆起や衣の動き、表情の細かな造形がより際立つよう、色を重ねながら立体感を調整しています。
新しくなりすぎて周囲の景観から浮いてしまわないよう、正法寺の歴史ある境内やお堂の雰囲気になじむ仕上がりを大切に。

仕上げには、屋外環境に対応した超耐候性塗料でコーティングを行い、紫外線や雨風による劣化から仁王像を保護しています。
約40年ぶりによみがえった一対の仁王像


長い年月にわたり、春日不動堂の入り口を守ってきた一対の仁王像。

今回、FRPの補修と再塗装を行うことで、本来の力強い姿をよみがえらせるとともに、この先も長く大切に受け継いでいただける状態へ。
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正法寺について

境内には、全国から集められた巨岩や名石が配された石庭があり、庭園からは京都市内や東山方面まで見渡すことができます。
春には桜や梅など、季節ごとの美しい景色も楽しめます。
正法寺を拝観される際は、春日不動堂の入り口に立つ一対の仁王像も、ぜひご覧ください。